クレイユ・モントローとは、フランスの陶器プランドのことです。パリの北郊外のクレイユという街で製陶をしていた「クレイユ」と、パリの南郊外のモントローという街で製陶していた「モントロー」が、1840年に合併して誕生しました。クレイユは1769年、モントローは1700年代に開窯した歴史ある陶器のブランドです。
1811年にサン・クリク・カゾーという人物がクレイユの経営者になり、1819年にモントローを買収します。そして工場経営を受け継いだルイ・マーティン・レベフとジャン・バプティスト・グラシアン・ミレーが中心になって、クレイユとモントローは合併しました。1895年にクレイユの工場が火事で閉鎖され、1955年に生産が終了しました。
クレイユ・モントローの陶器の特徴は、銅板転写技術によって絵柄を印刷しているところです。職人による手作業よりも早く絵付けができ、陶工1人で1日に200~250枚の皿を生産できたとされています。絵柄はイギリス風の模様をベースに、ジャンルや場面に合わせて表現の仕方を変化させていました。1870年代に流行したジャポニズム、19世紀末に流行したアール・ヌーヴォーの影響を受けた作品もあり、時代の変化に合わせてさまざまな陶器を生産しているのが特徴です。
ほかにもクレイユ・モントローからは、八角形のシルエットが特徴的な「オクトゴナルプレート」、中国の陶磁器の影響を受けた「シノワズリ」、フランスらしい装飾性があるものなど、さまざまな作品が登場しています。