コラージュとは、異なる素材を組み合わせることで1つの作品を制作する絵画技法のことです。貼り絵は主に紙を使うのに対し、コラージュで使われる素材は新聞紙、壁紙、書類、布切れ、針金、ビーズなど多岐に渡ります。語源は、「貼ること」「接着」を意味するフランス語の「collage」です。
コラージュが登場したきっかけは、フランスの画家ジョルジュ・ブラックや、スペインの画家パブロ・ピカソが、作品の画面に新聞紙や切手などを貼り付けたこととされています。当時は「パピエ・コレ」と呼ばれていました。1914年から1941年にかけては装飾的な意味を持つコラージュも発達し、1941年以降は多くの画家が実践する技法として広く普及しました。
コラージュの特徴は、異素材を組み合わせているところです。異素材を組み合わせることで立体感を出したり、メディア媒体を取り入れることで風刺的なメッセージを内包させたりと、さまざまな表現ができます。使用する素材や配置などを感覚的に決めて制作するため、即興性があるのも特色のひとつです。コラージュの即興性は、絵画だけでなく映像や音楽にも影響を与えました。
コラージュの代表的な作品は、パブロ・ピカソの『籐椅子のある静物』や、ジョルジュ・ブラックの『ギターを弾く女性』などがあります。『籐椅子のある静物』では、籐(とう)という植物で作られた椅子の一部を印刷し、画面内に貼り付けて制作しています。『ギターを弾く女性』では、新聞紙の切り抜きや木目調の壁紙などが取り入れられています。