サルバドール・ダリ

サルバドール・ダリとは、スペイン出身の画家のことです。1904年に誕生し、幼いころから芸術に興味を持ち、6歳の頃に初めて油彩画を制作したとされています。1922年にはマドリードにある美術アカデミーに入学しましたが、教授の批判や学生の反乱の指導を行ったとして、1923年に退学させられました。

その後1925年にマドリードで初めての個展を開き、1927年にパリを訪れてピカソをはじめとしたシュルレアリスムの中心人物と対面します。第二次世界大戦中は戦禍を避けるためにアメリカへ移住しましたが、1948年にスペインに帰国。1982年に妻のガラを亡くすとひどく落ち込み、1983年に絵画の制作を終了。1984年に寝室で発生した火事で大やけどを負ってフィゲラスという街に移住し、1989年に84歳で亡くなりました。

ダリは探求心が強く、印象派やキュビズムなど、先人の作風を深く学んだとされています。深層心理で繰り広げられる世界や、幻想的な世界をテーマに写実的な作品を多く生み出しています。哲学や精神分析学にも関心を寄せ、作品の制作に活かしました。絵画以外にも、彫刻や版画など、さまざまな分野の作品を残しています。

ダリの代表的な作品は、解けた時計が気に引っ掛かっている様子を表現した油絵『記憶の個室』、スペイン内戦の恐ろしさを表現するために制作した『内乱の予感』、黒電話の受話器の部分をロブスターに置き換えた『ロブスター・テレフォン』などです。また、現在世界中で食べられているキャンディ「チュッパチャップス」の商品ロゴの原型も制作しています。