スポード

スポードとは、1770年に陶芸家のジョサイア・スポードが創業したイギリスの陶磁器メーカーのことです。イギリスの4大名窯の1つにも数えられています。代表作は、1816年に発売を開始した「ブルーイタリアン」。青と白を基調としており、東洋の陶磁器からインスピレーション受けたことが伺えます。

スポードは1770年の創業後、初代ジョサイア・スポードが銅板転写による下絵付けの技術、2代目がファイン・ボーンチャイナを完成させたことで陶磁器メーカーとしての地位を確立しました。銅板転写による下絵付けとは、デザインを彫刻した銅板にインクを塗って印刷し、その印刷した紙を素焼きの陶磁器に貼りつけて絵柄を転写する技術のことです。

この銅板転写による下絵付けの技術により、中国の陶磁器の複製が容易になりました。当時の上流階級では中国の陶磁器が好まれていましたが、高価で入手が難しかったため、代わりになるスポードの製品に人気が集まったのです。現在も、「ブルーイタリアン」シリーズで銅板転写を用いた製品を楽しめます。

2代目が開発したファイン・ボーンチャイナとは、陶土に牛骨灰を混ぜて作った磁器の素材のこと。ファイン・ボーンチャイナを使うことで、透き通るような美しい白を表現できるようになりました。1806年にはジョージ4世より、イギリス王室御用達の勅許「ロイヤル・ウォラント」を授けられました。「トラップネル・スプレイズ」「カンタベリー・ベル」といったシリーズも続々と登場しており、世界中にファンがいる陶磁器メーカーです。