スーホルム

スーホルムとは、デンマークにあった陶器ブランドのことです。カップや花瓶といった日常使いしやすいものから、壁掛けやインテリアとして飾れるオブジェまで、さまざまな製品を生産していました。ヨゼフ・シモンやゲルト・ヒオルト・ピーターセンなど、著名なデザイナーも輩出しています。

スーホルムは1835年に、デンマークの南東部にあるボーンホルム島という場所で設立しました。創業から1950年代にかけて数多くのデザイナーが生産に携わり、個性豊かなモダンヴィンテージの作品が作られました。1996年に閉窯しましたが、デンマークのモダンヴィンテージの人気が高まるにつれ入手が困難になり、現在は世界中のコレクターから注目されています。

スーホルムの陶器の特徴は、土の質感を感じられる風合いです。食器にかけた釉薬が自然に流れるのに任せて作っており、素材の質感がしっかり残っています。日本で生産される陶磁器とも風合いが似ており、和食にも使いやすいのが魅力です。深みのある色合いに焼き上げたものが多く、北欧デザインらしい温かみが感じられます。厚みがあるシルエットも印象的で、他の陶器とは一線を画す個性があります。

スーホルムを代表するシリーズとしては、ブルーのグラデーションが美しい「グラニット」つるりとした質感とホワイト×ブラウンの配色が印象的な「ソニア」などが挙げられます。グラニットはブルーが使われるのが一般的ですが、期間限定で製造されたブラウンもあり、コレクターからも人気を集めています。