ハーレム・ルネサンス

ハーレム・ルネサンスとは、アフリカ系アメリカ人による文化運動のことです。1920年代から1930年代にかけて、ニューヨーク州マンハッタン島ハーレム地区で起こりました。ハーレム・ルネサンスの影響を受けた分野は芸術だけでなく、文学や音楽などさまざまなものがあります。

1865年に南北戦争が終結した後、南部に住むアフリカ系アメリカ人たちはより良い暮らしを求めて北部へ移住するようになりました。特にニューヨーク州のハーレム地区には多くのアフリカ系アメリカ人が移住し、語り部や文化の体現者が存在する独自のコミュニティが形成されます。そして移住した人々の子や孫の世代がハーレム地区での生活の影響を受け、ハーレム・ルネサンスが起こりました。

ハーレム・ルネサンスの特徴は、文学や音楽といった「知性」を通して人種的な誇りを明確に表現しているところです。保守派の人々からの反発もありましたが、財力のあるパトロンや支援者の助力もあり、作品を発表する場も設けられました。しかし1929年の世界恐慌の影響で、ハーレム地区は衰退しスラム化が進みました。1990年代から再開発が進み、現在は大型の商業施設が立ち並ぶ場所へと様変わりしつつあります。

ハーレム・ルネサンスで活躍した画家として挙げられるのは、アーチボルド・モトリーやアーロン・ダグラスなどです。特にアーロン・ダグラスは、壁画やアメリカの人種差別に関する社会問題を提起するイラストなどを制作しました。ハーレム・ルネサンスは、マイノリティが自身らの文化を表現することを進めた先駆的な存在とも言えます。