バルビゾン派とは、1830年から1870年頃にかけてフランスで活動していた画家の一派のことです。フランスにあるバルビゾン村とその周辺に画家が集まり、自然の風景や農民の生活をテーマにした絵を写実的に描きました。19世紀後半に興った印象派の芸術運動にも影響を与えたと考えられています。
バルビゾン派が興った背景には、絵画や文学などで自然主義が注目されるようになったことがあります。従来は聖書や神話、歴史的な出来事をテーマにした作品が中心でしたが、屋外の様子を観察し、自然風景をテーマにする風潮が生まれたのです。1820年代には、フォンテーヌブローの森がよく画題になっていました。明治時代には日本でもバルビゾン派の影響を受け、黒田清輝は実際にフォンテーヌブローを訪れ、バルビゾン派や印象派に刺激されつつ独自の画風を確立しました。
バルビゾン派の中心人物は、ジャン=フランソワ・ミレー、ジャン=バティスト・カミーユ・コロー、テオドール・ルソー、コンスタン・トロワイヨン、ナルシス=ヴィルジール・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ、ジュール・デュプレ、シャルル=フランソワ・ドービニーの7名で、「バルビゾンの七星」とも呼ばれています。
広義には、バルビゾンを訪れたことがある画家をすべて含めて呼ぶこともあり、バルビゾン派の画家は100人以上に及ぶとも考えられます。バルビゾン派の画家の作品としては、テオドール・ルソーが描いた『バルビゾン村の風景』、牛が浅瀬に佇む様子を描いたコンスタン・トロワイヨンの『浅瀬』などが挙げられます。

