バロック

バロックとは、17世紀に現れたヨーロッパ中心の美術です。規則から外れたという意味のバロック。これは、18世紀末の古典主義芸術評論家によって否定的な意味で名づけられました。また、ポルトガル語で「ゆがんだ真珠」を意味する「バローコ」に由来しているとも言われています。現在では、その評価は変わってきており、劇的な効果を追求した17世紀の美術全体を指すようになりました。

バロックの作家たちは、イタリア・ルネサンスの伝統に従いながらも、もっと強烈な効果のある作品を作り上げようとします。

バロックの作品たちの特徴としては、遠近法の応用や複雑な構成、そして光と影の効果が表されていることです。また、宗教画や神話がより身近な表現のしかたをされるようになります。さらには、現実にもとづいた風俗画や風景画、静物画などの画種が独立していきました。

イタリアの特にローマを中心に現れたバロックですが、他にもフランドル地方(現在のベルギー)やオランダ、スペインなどで広まっていきます。

特にオランダは、「真珠の耳飾りの少女」で有名なフェルメールや、17世紀オランダ最大の画家と呼ばれるレンブラントなどを輩出しました。

また、スペイン絵画の黄金時代は17世紀と言われており、ベラスケスがその才能を発揮しています。。

フランドル地方では、ダイナミックかつ色彩豊かな画風のルーベンスの作品が、宮廷や教会で人気を博しました。

主要人物・作家

カルラッチ、カラヴァッジオ、マデルナ、ルーベンス、ハルス、ヴァン・ダイク、プッサン、レンブラント、ベルニーニ、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール、クロード・ロラン、ベラスケス、ファン・ライスダール、カルフ、フェルメール、ボルロミーニ、ガウリ、ホッベマ