パステル画

パステル画とは、「パステル」というチョークのような棒状の画材を用いて描いた絵画作品のことです。画用紙に色を塗る感覚でパステルを擦りつけて絵を描くほか、カッターで粉末状に削ったものをスポンジで塗ったり、塗った色を手でぼかしたりしながら作品を制作します。水・パレット・筆といった道具を揃える必要がなく、画用紙とパステルさえあれば気軽に作品を制作できるのが魅力です。画家はもちろん、趣味で絵を描いている方や子どもがいる家庭でも親しまれています。

パステル画に使用するパステルは、大きく「ソフトパステル」「ハードパステル」「オイルパステル」の3種類に分けられます。ソフトパステルは指に力を入れると簡単に砕けるほど柔らかく、指で繊細なグラデーションをつけたり色をぼかしたりするのに適しています。ハードパステルは硬い手触りで、鋭い描写に向いているのが特色。オイルパステルは顔料を油脂分で固めたパステルで、重ね塗りをすると油彩画のような重厚な表現ができます。油が裏面に滲むケースがあるため、オイルパステルで絵を描くときは厚手の画用紙を使うのがポイントです。

パステルと似ている画材としてクレヨンが挙げられますが、発色や色の伸び、絵を描ける画材などに違いがあります。発色はパステルの方が柔らかく、クレヨンには少し光沢があるのが特徴です。色の伸びはパステルの方がよく、軽い力で紙にきれいな色を乗せられます。絵を描ける画材は、パステルは画用紙が基本なのに対し、クレヨンだと布地やアクリル板などにも着色することが可能です。