フォクシングとは、経年変化によって紙に発生する茶褐色の斑点やシミのことです。色がキツネの毛の色に似ていることから、「フォクシング」と呼ばれています。日本では「星」と呼ばれることもあります。フォクシング発生すると、市場価値が低下するほか、劣化・脆弱化が進んで作品が割れやすくなることがあります。
原因は明らかになっていませんが、紙を製造する過程で混入した微細な金属粒子が酸化して発生したという説や、ほこり・ダニなどを栄養源とする微生物が発生したという説があります。カビとは異なり、触ってもデコボコしておらず、不快な臭いもあまりしないのが特徴です。1つの作品でフォクシングが発生しても、それが広がったり他の作品に移ったりはしにくいとされています。
フォクシングを予防するには、高湿度を避け、ほこりを溜めないよう注意することが大切です。特に湿度は重要で、湿度が65%以上ある場所での保管は避け、湿度50%前後の通気性が良い空間を保つのが良いとされています。フォクシングは湿度が高い場所ほど進行しやすいため、日頃からの管理に気を配る必要があります。
フォクシングが発生した場合、基本的には専門の修理業者に相談することが推奨されます。フォクシングの除去には専門的な知識や技術が必要で、自分で作業すると絵の具が落ちたり、紙を破いたりしてしまう可能性があるためです。軽い汚れであれば、屋外でブラシやハケを使用して簡単な掃除をすることはできますが、なるべく専門業者に依頼するようにしましょう。

