プロヴァンス陶器

プロヴァンス陶器とは、フランス南東部に位置するプロヴァンス地方の自然・文化から着想を得た陶器のことです。17世紀後半にフランスのムスティエ・サント・マリーという村を中心に発展し、18世紀になりルイ14世の時代になると、金銀食器の代用品として王侯貴族にも注目されるようになりました。

ムスティエ・サント・マリー以外にも、18世紀にはマルセイユ、20世紀にはヴァロリスでも、プロヴァンス陶器は作られるようになります。しかし19世紀から20世紀にかけて、ヨーロッパでは磁器の生産が盛んになり、プロヴァンス陶器は一時衰退します。その後1927年に、マルセル・プロヴァンス氏によって再興され、現在は複数の工房で生産が続けられています。

プロヴァンス陶器の特徴は、南フランスを思わせる明るい色彩を用いたり、オリーブや草花といった南フランスの自然をモチーフにしたりしているところです。彩色は鮮やかな黄色・青・緑などの、ビタミンカラーやアースカラーがよく用いられています。素朴な手作り感があり、地中海の影響を受けた釉薬による厚みと重みがあるのも特色です。

現在はムスティエやヴァラージュといったプロヴァンス地方の村で生産され、地域の工芸品として愛されています。主な生産品は普段使いの食器やグラタン皿などで、食卓用の陶器として多くの人から親しまれています。また、「ジアン」や「ブルー・ダルジル」といった陶器ブランドでも、プロヴァンス陶器から着想を得た製品を生産しています。