プールポタリー

プールポタリーとは、イギリスの陶磁器メーカーのことです。イギリス南部に位置するプールという都市で創業し、メーカー名にも「プール」を使用しています。創業年は、1873年。当初は「Carter’s industrial tile Manufactory」という社名で、商用タイルの製造を手掛けていました。ロンドンの地下鉄で使用するタイルの製造を担当したこともあります。

陶磁器の製造を開始したのは、1920年代になってから。デザイナーのハロルド&フィービー・ステイプラー夫妻や、陶芸家のジョン・アダムスなどが、アール・デコ様式の作陶を行ったのがきっかけです。社名を「カーター・ステイブラー&アダムス株式会社」に改名した後、1930年代に入ってから「プールポタリー」という社名になりました。

第二次世界大戦中は政府による規制を受けて生産を一時中断しますが、戦後に活動を再開。テーブルウェアの生産に注力するようになり、ブリティッシュモダンの先駆者としての地位を確立しました。

しかし経営不振を理由に、2007年に経営を終えることになります。2007年以降はイギリスのデンビー社が買収し、現在も生産は続けられています。生産拠点は、創業の地であるプールから、イングランド西部のストーク・オン・トレントに移転しました。

プールポタリーの製品の代表作は、「ツイントーン」です。器の外側と内側で色が異なるのが特徴で、2色使いが珍しかった当時はイギリスを中心に大流行しました。カラーリングや曲線の美しさといったデザインだけでなく、シンプルなシルエットで実用性に優れていたのも人気を集めた理由のひとつと考えられます。