ヘキスト陶磁器工房

ヘキスト陶磁器工房とは、ドイツの陶磁器メーカーのことです。マイセンに次いでドイツで2番目に古い歴史を持ち、創業は1746年。フランス革命の影響で一度閉鎖を余儀なくされましたが、20世紀に活動を再開します。近年は伝統的な陶磁器に加え、現代的なデザインの製品も生産しており、今もなお進化を続けているメーカーです。

ヘキスト陶磁器工房の製品の特徴は、熟練の絵付師がフリーハンドで絵柄を描いているところです。1746年の創業当初の技術を現代まで受け継ぎ、すべて手作業で生産することにこだわっています。手作業であるぶん生産に時間がかかることに加え、大量生産が難しいことから、ヘキスト陶磁器工房は「幻の名窯」とも呼ばれています。

ヘキスト陶磁器工房では創業時の1746年からフランス革命までの間に、高品質の食器・花瓶・陶磁人形などを生産していました。ヘキスト陶磁器工房を代表するシリーズである「忘れな草」も、この時代に生まれたものです。同時代の製品はコレクターに収集されているほか、ヘキスト陶磁器ミュージアムでも展示されています。

ほかにもヘキスト陶磁器工房では、「アマリエンブルク」や「キョウト」など、さまざまな食器シリーズを発表しています。「アマリエンブルク」は、菊の花をモチーフな繊細なデザインが特徴。「キョウト」はその名の通り日本の京都がシリーズ名の由来で、日本の食卓にも合わせやすいデザインが魅力です。近年は食洗器に対応している製品も登場しており、ヘキスト陶磁器工房は時代の変化に柔軟に対応しつつ、伝統も大切にしているメーカーと言えます。