ホツ

ホツとは、陶磁器の口縁や高台にできた小さな欠け傷のことです。ほかにもカケ・ホツレ・コボレなど、様々な呼び方があります。業者によっては小さな欠け傷は「ホツ」、ホツより大きな欠け傷は「カケ」のように一定の基準を設けて呼び分けていることも。鑑定や買い取りの担当者に確認を取りながら、依頼主もホツへの認識を使い分けるよう心がけましょう。

ホツが生じる主な原因は、陶磁器が机や棚といったものに当たることです。コツンと少し当たるくらいでは陶磁器はあまり傷みませんが、不注意で強くぶつけてしまうと小さな欠け傷が生じる場合があります。食器棚から出し入れするときの棚板や、食卓に並べるときの机の角には十分注意してください。

ホツは陶磁器を使用する過程で生じる傷であるため、買い取りと売却の両方の価格に大きく反映されます。特に磁器は陶器よりも硬度が高いため、厳しい目で査定されることも。逆に陶器は比較的柔らかく、ホツができやすい材質であることから磁器よりは寛大に解釈されます。またホツが入った陶磁器を購入する場合は、完全なものよりもお手頃な価格で入手しやすい傾向にあります。

ホツは数ミリメートル程度の小さな欠け傷で、進行性もないため、お茶や料理を入れるだけなら普段から問題なく使うことが可能です。使用する際は、何度も家具に陶磁器をぶつけてホツの数を増やしたり、既にできているホツを大きくしたりしないよう気を付けましょう。ホツが入っているのが気になる場合は、金継や銀継を用いて味のある姿に作り変えることも可能です。