ポスト印象主義

ポスト印象主義とは、印象主義に影響を受けた芸術家たちが独自に切り開いた美術です。

印象主義の画家たちがようやく世間に認められるようになった、1880年代中頃までに、パリに新しい世代の画家たちが現れました。この新しい世代の画家たちにとっては、印象主義は新しい美術の理想形だったのです。そしてそんな印象主義の作品に多かれ少なかれ影響を受けた彼らは、それぞれ道を切り開き、印象主義を超えるような美術を目指し創造したのです。ポスト印象主義の画家たちとは、まさに彼らのことを言い表しています。

たとえば、印象派が外の世界を描いたのに対し、ゴッホは内なる世界や心の動きを画面の中に表しました。渦巻くような筆さばきや生々しい原色の使い方が特徴的で、表現力豊かな世界を描いています。

また、ゴーガンは遠近法にとらわれない構図や、縁取りを強調した描き方で、宗教的なテーマや精神的なイメージを表現しました。これは、目に見えるものだけを写しとっていく印象主義にはなかったものです。

セザンヌは、印象派の形態感覚の欠如に不満を抱いていました。その不満から独自の空間表現を編み出していくのです。

ポスト印象主義は、画家により作風がかなり変わります。それでもポスト印象主義に共通しているのは、20世紀の重要な美術運動、フォービスム、キュビスム、表現主義などが現われるきっかけを作り、その礎を築いたということです。

主要人物・作家

ポール・ゴーガン、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・セザンヌ、ポール・セリュジエ、モーリス・ドニ、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール