マイセンクリスタル

マイセンクリスタルとは、ドイツのクリスタルガラスのブランドのことです。1947年に、ホルスト・ゼンディッヒが当時の東ドイツに設立しました。当初は「ホルスト・ゼンディッヒ」という名前だったのですが、1972年に社会主義の影響を受けて国営化され、磁器ブランドとして知られる「マイセン」の管轄下に置かれました。

マイセンの管轄下に置かれたことで、ブランド名を「マイセンブライクリスタル」という名称に変更することになります。政治や国家権力の影響を受けたものの、マイセンの高度な技術を導入でき、マイセンを代表するデザイン「オニオンブルー」の利用権を得るなど、一定のメリットもありました。

1990年に東西ドイツが統一されると社名を「マイセンブライクリスタル ホルスト・ゼンディッヒ」と改め、ホルストの没後は「マイセナーブライクリスタル社 マリーズ・ゼンディッヒ」という名称になりました。そして現在は「マイセンクリスタル社」という通称で、製品の製造を続けています。

マイセンクリスタルでは手作業での製品づくりにこだわっており、完成したものにはマイセンクリスタル社の「M」と職人のイニシャルをあしらいます。マイセン磁器の製作所の管轄下に置かれた時期があったため、磁器製品のような芸術的なガラスの仕上げ加工を施しているのが特徴です。

マイセンクリスタルの製品には、草花を繊細に描いたオールドファッショングラス、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をイメージしたワイングラス、アラビアンナイトの一場面をあしらったオブジェなどがあります。