ミッドウィンターとは、イギリスの陶磁器メーカーのことです。1910年に、イングランド西部のストーク・オン・トレントで設立しました。さまざまなデザイナーを起用し、モダンかつおしゃれなデザインの製品を生産しているのが特徴。デザインの種類が豊富で、コレクターからの人気も集めています。
ミッドウィンターは創業間もない頃から順調に事業規模を拡大し続け、1930年代には社員数が700人を超えました。第二次世界大戦の影響で一時的に国内産業への規制が設けられ、ミッドウィンターも影響を受けましたが、戦後間もなく復活。テレンス・コンランやジェシー・テイトといったデザイナーを起用し、スタイリッシュなデザインで注目を浴びました。
1953年発表の「スタイルクラフト」は、丸みのある四角いシェイプが特徴。フルセットでの販売が主流だった当時としては珍しく、20ピースで発売し、イギリス国内で人気を博しました。その後登場した「ファッションシェイプ」など数多くの魅力的なシリーズがありましたが、徐々に勢いが衰え、J&Gミーキン社、ウェッジウッド社へと立て続けに吸収されることになります。1987年には生産が終了し、約80年の歴史に幕を下ろしました。
ミッドウィンターのシリーズはほかにも、赤い縁取りとドットデザインが特徴的な「レッドドミノ」、青い花を幾何学的に描いた「スパニッシュガーデン」、太めのストライプが印象的な「クイーンズベリー」などさまざまなものがあります。