ミントン

ミントンとは、1793年に創業したイギリスの陶磁器メーカーです。2015年にミントンの親会社が買収されたため、現在はイギリスのWWRDグループホールディングスの一員になっています。華やかな金の装飾を施したデザインが特色で、1856年以降はイギリス王室御用達となりました。第二次世界大戦の終戦以降は植物柄をあしらった「ハドンホール」シリーズが主流になっています。

ハドンホールは、イングランドにある貴族の館「ハドンホール」に掛かっているタペストリーのデザインにインスピレーションを受けて作られました。カラフルかつ繊細な草花を描いており、ホワイトをベースとした食器を美しく彩ります。主に描かれている花はパッションフラワーやカーネーションなど。金の縁取りとパールのような輝きが魅力の「ダイヤモンド・ハドンホール」、青い縁取りを施している「ハドンホール・ブルー」等、様々なデザインのものが発売されています。

ミントンならではの技術は、「パテ・シュール・パテ技法」と「アシッドゴールド」です。パテ・シュール・パテ技法は白い粘土の水溶液を何層にも塗り重ねることで、装飾を立体的に見せる技術のこと。下の層の色味がうっすらと透けるため、奥行きのある絵を描けます。アシッドゴールドとは、ゴールドの部分にツヤを出したり、浅く浮彫を施したりするために使用する技法です。ミントンのテーブルウェアや彫刻品には、アシッドゴールドの技術がふんだんに使われています。