ラファエル前派

ラファエル前派とは、アカデミーに対抗する芸術運動を起こした一派のことです。

1848年、イギリスのミレイ、ロセッティ、ハントを中心に若い画家が集まり、アカデミーに対抗する芸術運動を起こしました。

彼らが通っていた当時のアカデミーは、ラファエロのような美術を手本にするようにと教えていました。古い規則を重視し、新たな美術表現を認めなかったのです。そんなアカデミーの方針にミレイ、ロセッティ、ハントらは不満を募らせていきます。

アカデミーが手本とするラファエロよりも前の絵画に魅せられ、簡素で誠実な表現を目指した彼らは、自分たちを「ラファエル前派」と名乗ります。そしてアカデミーの型にはまった規則から解き放たれ自由に描こうとするのです。

また、このラファエル以前の美術をベースに、信仰心や美しいものに対する純粋な思いを、中世以来伝えられてきた伝統や文学に当てはめて描きました。

ラファエル前派の特徴は、細部まで丁寧なこと、鮮やかな色づかいをしていることです。また、彼らの絵画はある種の清楚さも持ち合わせており、それが彼らの理想とする形でした。

このラファエル前派の特徴が、19世紀後半の象徴主義やアーツ・アンド・クラフト運動へ影響を与えていくのです。

主要人物・作家

ウィリアム・ホルマン・ハント、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイ、エドワード・バーン=ジョーンズ、ウィリアム・モリス