ラリック

ラリックとは、フランスのガラス製品のブランドのことです。グラス、照明、ジュエリー、オブジェなどさまざまなガラス製品を発表しています。創業年は明らかになっていませんが、1860年にフランスのマルヌ地方で生まれたルネ・ラリックの創作活動が、会社の設立に繋がったと考えられます。

ルネ・ラリックは1885年に職人兼宝石商のルイ・オールコックの弟子になり、ジュエリー制作の技術を習得したり、芸術学校に通って装飾の知識を学んだりしました。その後2年間イギリスで勉強し、宝飾品の独立デザイナーとしてデビューし、パリの宝石商の工房を引き継ぎます。工房を引き継いでからもルネ・ラリックの活動は続き、古代やジャポニズムに影響を受けた作品を多数デザインしました。

1890年頃からエナメルやガラスも積極的に使用するようになり、ルネ・ラリックはデザイナーとしての名声を築いていきます。1900年にはパリ万国博覧会に作品を出品し、同年にレジオンドヌール勲章も授与されました。1945年以降はルネ・ラリックの息子であるマークが事業を引き継ぎ、さらに組織を拡大します。2008年にアート&フレグランスによって買収され、以降もクリスタルガラスの生産を続けています。

ラリックは現在も数多くのガラス製品を発表しており、透明感のあるクリスタルガラスを使った「100ポイント」や、すりガラスのようなデザインが特徴的な「ヴィンゲン」など、さまざまなグラスのシリーズが登場しています。アート作品のようなおしゃれなデザインが魅力で、洗練された雰囲気を演出する製品を多く扱っているブランドです。