ラリック

ラリックとは、フランスのガラス工芸およびジュエリーブランドです。19世紀末ごろに、フランス人アーティストのルネ・ラリックが設立しました。1905年にはパリのヴァンドーム広場に店を構えるほか、1913年にガラス工房を買い取るなど、さまざまな活動をしてきました。

創業者であるルネ・ラリックは、1860年にシャンパーニュ地方のアイという村で生まれました。16歳の時に父親が亡くなり、その後宝飾職人に弟子入りします。19世紀末ごろにラリックを設立し、1897年にはフランスで卓越した功績を残した人に贈られる「レジオンドヌール勲章」を受賞します。1900年にはパリ万博で好評を博し、ラリックは国内外に広く知られるようになりました。

当初はジュエリーを主に制作していましたが、香水店のフランソワ・コティから香水瓶の注文を受けたことをきっかけに、ガラス製品の制作にも本格的に取り組むようになります。芸術的な美しさと繊細さを兼ね備えたラリックのガラス製品は、「クリスタル界のオートクチュール」と呼ばれるほど評価されるようになりました。現在ではガラス製品やジュエリーだけでなく、フレグランスやアート作品など幅広い分野の製品を展開しています。

ラリックのガラス製品は、1921年の工場設立以来、ずっとアルザスで1つずつ手作りされています。透明なガラスと曇りガラスを組み合わせてコントラストを表現したり、ガラスに反射する光を活かす加工を施したりと、ガラスが美しく見えるようさまざまな工夫が施されているのが特徴です。