ランドアート

ランドアートとは、屋外の広大な土地や海、河川などに大規模に展開する芸術作品を指し、1960年代末のアメリカを中心に展開した表現です。アースワークとも呼ばれています。

ランドアートは、ミニマルアートが行き詰まりを迎えた頃、屋内空間から出て屋外で、ある特定の場所と作品を結びつけることを試みた表現です。ランドアートの作者にはミニマル・アートの出身者が多いことから、その関係性が伺えます。ミニマルアートの特徴であった形態と色彩の削ぎ落としはそのまま受け継がれています。

また、ランドアートが生まれた1960年代後半は、環境破壊や公害などが問題になってきた時代でした。そのため自然回帰やエコロジーが注目され、工業化を批判する芸術運動の流れがあり、そうした点もランドアートの出現に繋がったと考えられます。

しかし、自然を舞台にしたランドアートでしたが、その大掛かりな手法ゆえに自然を害してしまうという矛盾した性質を持っていました。1970年代半ばには短い最盛期を終え衰退していきました。

作品の特徴としては、作品自体は大自然の中にある為、俯瞰した写真等をギャラリーに展示するというスタイルになっています。ロバート・スミッソンの「螺旋状の突堤 」やマイケル・ハイザーの「ダブル・ネガティブ」に見られるように、自然環境の中に壮大なスケールで展開されています。

代表作家として他に、ウォルター・デ・マリア、ナンシー・ホルト、クリストなどが挙げられます。