ラ・モンクロア王立磁器工場とは、スペインに存在した王立の磁器工場のことです。王室御用達の、磁器製品や陶器製品を生産していました。当時のスペイン国王フェルナンド7世の妻であったマリア・イサベル・オブ・ブラガンサによって、1817年に設立されました。
設立のきっかけは、18世紀後半に設立された王立の磁器工場「ブエン・レティーロ王立磁器工場」が、1812年に破壊されたからだそうです。生産していた品やデザインが時代ごとに変化しており、設立当初はフランスの影響を受けた磁器を生産していましたが、徐々に磁器は作られなくなり、1820年代には陶器が盛んに生産されるようになりました。
イザベル2世(在位:1833~1868年)の時代になると、設立当初から生産していた古典主義から脱却し、抽象的な装飾を施した陶器が作られるようになります。工場の活性化を図るため、フアン・フェデリコ・ラングロワが1846年に所長に任命されましたが、ラングロワは自身が保持する技術を明かすことを拒否。その結果、生産量は最小限になり、設備の劣化・損傷や資材不足などが影響し、1850年に工場が閉鎖されました。
その後、1874年に操業を再開し、主に建築用のセラミックタイルを生産するようになります。スペインの建築家リカルド・ベラスケス・ボスコが造った、マドリードの「ベラスケス宮殿」の装飾にも、ラ・モンクロア王立磁器工場が作った陶器が使われました。しかし、工場の運営に高額な費用がかかることなどを理由に、19世紀末には完全に閉鎖されました。

