リュネヴィル

リュネヴィルとは、フランスの陶磁器メーカーのことです。1728年に、ジャック・シャンブレットという人物によって最初の工場が設立されました。設立された場所は、フランス北東部のロレーヌ地方です。当初は上流階級向けの食器を生産しており、1749年にはロレーヌ公御用達の陶磁器メーカーになっていました。

1758年には2つ目の工場を設立。創業者のジャック・シャンブレットが亡くなった後は、ドイツ生まれのケラー家と友人のゲラン家が経営を引き継ぎました。経営の引継ぎに際して、リュネヴィルのバックスタンプは「Lunéville K&G」になります。ケラー家とゲラン家の経営のもとでリュネヴィルは工業化を果たし、上流だけでなく中流階級向けの製品も製造するようになりました。

国内外から高い評価を得るようになったリュネヴィルは、マリーアントワネットの保護を受けたり、1800年代後半にはヨーロッパ諸国へ製品を輸出したりするようになります。その後は1922年にバドンヴィレ、1979年にサルグミンヌと合併。1981年にリュネヴィルの名称での陶磁器生産が終了し、1999年に工場も停止しました。

リュネヴィルではさまざまなシリーズの陶磁器を生産しており、波打つ縁とかわいらしい花柄が印象的な「Réverbère」や、チェック柄が印象的な「Henri」はその代表例。繊細な装飾技術が特徴で、フリルのような透かし彫りを細かくあしらったものもあります。陶磁器の地肌の白さを活かした絵付けも美しく、かわいらしさと上品さを兼ね備えているのも魅力です。