リーデル

リーデルとは、ワイングラスのブランドのことです。ワインのおいしさを最大限引き出せるような形のグラスを生産しているのが特徴で、ブドウの品種ごとにシリーズ化したワイングラスを発表しています。ワイン生産者とテイスティングを繰り返したうえで生産しているため、世界中のワイン愛好家から高い評価を得ています。

リーデルが創業したのは、1723年です。工房を建てたのはヨハン・レオポルドという人物で、7年戦争やバイエルン継承戦争を乗り越えながら事業を続けました。ヨハン・レオポルドの死後、息子のアントンが相続し、ノイヴィーゼ・ガラス工房を買収して事業規模を拡大。アントンの息子たちが経営に携わるようになると、芸術性に優れたガラス製品も登場しました。

しかし良い状況はいつまでも続かず、2回の世界大戦の影響で景気が悪化したり、8代目の経営者がソ連に抑留されたりもしました。リーデルが戦前の状態に復活したのは、1950年以降のことです。そして1961年以降、機能性を重視したワイングラスの生産を手掛けるようになりました。

当時は見た目の美しさを重視した製品が主流であったため、機能性に注目したワイングラスの生産は新しい試みでした。その後は赤ワイン、白ワイン、ロゼワインといったワインの種類や、ブドウの品種に合わせたシリーズを発表しています。リーデルは265年以上の歴史のなかで数多くのガラス製品を作り、今もなお世界中から愛されているブランドです。