リーヒマエンラシ

リーヒマエンラシとは、フィンランドにあったガラス工場のことです。ボウルのような家庭用のガラス製品だけでなく、建物の装飾などに使われるアートガラスまでさまざまな作品を作っていました。日本国内ではあまり知られていませんが、フィンランドをはじめとした北欧諸国ではコレクターがいるほどの人気があります。

リーヒマエンラシは1910年に、フィンランドの首都ヘルシンキから70kmほど北にあるリーヒマキという街で設立しました。創業者はミッコ・アドルフ・コーレマイネンという人物で、北欧のデザイナーと共にさまざまな製品や作品を制作してきました。

しかし1970年代にアートガラスとカットガラスの製造が中止になり、以降は機械を使ったガラスとプラスチックを生産するようになります。1980年にはアールストローム社に買収され、1990年に閉業しました。現在リーヒマエンラシのガラス製品は生産されていませんが、北欧ヴィンテージの人気の高まりに伴い、コレクターからの注目も集まっています。

リーヒマエンラシのガラス製品の特徴は、単色のガラスと繊細な装飾です。ガラスは青や透明などの一色のものが多く、色ガラスを混ぜたり彩色を施したりしたものはあまり見られません。シンプルなガラスにカットや凹凸をあしらい、個性的なデザインの製品が多いのが特色です。

リーヒマエンラシの代表的なシリーズは「パラ」。フィンランド語で「塊」「ブロック」といった意味があり、氷の塊を積み重ねたようなデザインが特徴です。