ルネサンス

ルネサンスとは、イタリアを中心に14世紀から16世紀に発展した文化・芸術運動です。ルネサンスは「再生」を意味します。古典古代文化の復興という思想を当時の知識人たちがとなえたのです。

これまでの神中心の様式から一転、人間を尊重し、自然の美や現実世界の価値を再発見しようという風潮へと変わったのがルネサンスの特徴です。芸術における人間性の回復を目指したのでした。

ルネサンスは、主にイタリア中心の初期ルネサンスと盛期ルネサンスに分かれます。それ以外に北方で起こった北方ルネサンスがあります。

よく描かれたテーマは、聖書の中から受胎告知、最後の晩餐、聖母子像、十字架降下、神話の中からヴィーナスです。

初期ルネサンスは15世紀前半にフィレンツェで起こります。技術的には、初めて正確な一点透視図法(線遠近法)が使われ、動きのある形態や奥行きが表現されました。主に優美で装飾的な様式が流行します。

盛期ルネサンスは、舞台がフィレンツェからローマ、ヴェネツィアへと移りました。この時代は30年ほどしかありませんが、多くの巨匠が出た時代です。レオナルド・ダ・ヴィンチは空気遠近法で奥行きを表現しました。

初期ルネサンスが素描を重視していたのに対し、ヴェネツィアでの盛期ルネサンスは、色彩や筆触を重視しています。

北方ルネサンスは、ドイツやネーデルラント、フランス北部を中心に起こりました。ヴェネツィアを自ら訪れたアルブレヒト・デューラーにより、人間の理想美を追求するルネサンスと北方美術の精密な表現が結びついたのです。

初期ルネサンス(主要人物・作家)

ブルネレスキ、ドナテッロ、マザッチオ、ギベルティ、ロッビア、ウッチェロ、フラ・アンジェリコ、ミケロッツィ、ドメニコ・ヴェネツィアーノ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、アルベルティ、ヴェロッキオ、マンテーニャ、ポライウォーロ、ボッティチェリ、ベッリーニ

盛期ルネサンス(主要人物・作家)

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ブラマンテ、ジョルジオーネ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ

北方ルネサンス(主要人物・作家)

デューラー、グリューネヴァルト、ホルバイン、グージョン、ブリューゲル