ロイヤル・ウースター

ロイヤル・ウースターとは、イギリスの陶磁器メーカーのことです。1751年に、ロンドン北西部のウースター市で創業しました。製造している製品は、ティーセット・花瓶・ティーポットなどです。陶磁器業界では最も早く「ロイヤルワラント(英国王室御用達)」の称号を得ており、格式のあるメーカーとしても知られています。

ロイヤル・ウースターは、医師のジョン・ウォール博士と薬剤師のウィリアム・デイヴィスが、従来にはない新しい磁器の製法を発明したことをきっかけに開業しました。1752年には「ブリストル工房」を合併し、薄くて硬い磁器を作る技術を取得。1788年に当時のイギリス国王ジョージ3世とシャーロット王妃が訪問したことを受け、1789年に陶磁器業界で初めてロイヤルワラントの称号を獲得しました。

当初は東洋の陶磁器を模した青と白の製品が中心でしたが、次第に市場では類似する安価な製品が販売されるようになりました。そこでフランス風のレリーフの技術やネオ・ロココ様式などを取り入れて差別化を図り、ロイヤル・ウースターはさらなる人気を集めるようになります。

ロイヤル・ウースターの代表的なシリーズは、1770年に登場したペインテッド・フルーツや、1961年登場のイヴシャム・ゴールドです。ペインテッド・フルーツの特徴は、絵画のようなフルーツを描いているところ。イヴシャム・ゴールドはアップルやプラムといったイギリスの秋の果物を描いており、乳白色のボディに金縁をあしらっているのが上品なシリーズです。