ロココテーブル

ロココテーブルとは、18世紀に流行したロココ調の作風を反映させたテーブルのことです。特徴は、過剰なほどに装飾を施しているところ。金めっきで加工するほか、くるりと曲がった渦巻き模様を縁にあしらったり、レッグをC字形やS字形にカーブさせたりしています。パイン材のような軟材を使用し、複雑な装飾を細部まで掘り進められるようにしています。

天板は大理石のような重厚感があるものが多く、流麗なレッグとの調和を取れている点が魅力。ロココ調が流行した当時、家具は壁や柱などの屋内のデザインの一部と考えられており、内装の華麗さと融合させるためにテーブルも豪華なものが作られました。代表的なロココテーブルの産地は、フランスとイングランド(イギリスの一部)です。

フランスのロココテーブルは、ロココ調発祥の地にふさわしい、華やかかつ軽やかな作風が特徴。縁からレッグに至るまで、装飾できるところは全て透かし彫りや動植物の彫刻を施しています。下地である木材の上に石膏を塗ってから金めっき加工することで、キャンドルの明かりに灯されるとキラキラと輝くよう、視覚的に楽しめる工夫をしていました。

一方イングランドのロココテーブルは、「家庭に置くには派手すぎる」という考えがあり、フランスのものより装飾が控えめの傾向にあります。レッグは全てに装飾を施すのではなく、木材の太さを残して草花が這うように彫刻しているものも。金めっき加工をしていない作品もあり、素朴で親しみやすいのが特色です。