ローゼンブルク

ローゼンブルクとは、オランダに存在した陶磁器窯のことです。1883年に創業した後、1877年に開催された美術産業博覧会をきっかけに、オランダの新しい陶磁器のスタイルを模索するようになります。1900年にはパリ万博で磁器を出品し、美しいシルエットと革新的な絵付けが評価され、国内外で知られるようになりました。

ローゼンブルクの陶磁器の特徴は、アール・ヌーヴォーの影響を受けているところです。柔らかい曲線を描き、鳥や花などの自然をモチーフにした作品が現存しています。卵の殻のように薄い「エッグシェル」と呼ばれる磁器を作っており、繊細さと優美な雰囲気を兼ね備えたローゼンブルクの陶磁器は、ヨーロッパで人気を集めるようになりました。

オランダの絵付師であるJ.W.ファン・ロスムをはじめ、著名な作家が在籍していたため、絵本の挿絵や絵画のような、あたたかみのある絵付けが施された製品が多数生産されています。主な生産品は、カップ&ソーサーやプレート、花瓶などの日用品です。一般的な丸いプレートだけでなく、八角形の個性的なものも作られています。現在は貴重なアンティーク品として、高値で取引されることもあります。

薄手の磁器と繊細な絵付けは、日本の有田焼の技術を参考にしているとも考えられています。1917年に閉窯したため、活動期間は約30年と短いのですが、オランダの陶磁器に大きな影響を与えました。芸術性と希少性の高さから、ローゼンブルクで作られた陶磁器は「オランダの至宝」とも呼ばれています。