古渡

古渡(こわたり)とは、主に室町時代から江戸時代初期にかけて、中国やインドといった海外から日本に輸入された骨董品や美術品のことです。陶磁器や盆栽鉢のほか、金襴や更紗といった織物・染織品など、さまざまな品があります。古い歴史があり、貴重で質が良いものとして重宝されているのが特徴です。

古渡に分類される品は、骨董・茶道具か更紗かによって期間が異なるケースがあります。骨董・茶道具は、室町時代末期から江戸時代初期に渡来したものを指します。具体的には、中国の明代末期の景徳鎮で焼かれ、日本に届いた磁器が挙げられます。あえて形を歪ませた「古染付」と呼ばれる磁器や、繊細な模様を描いた「祥瑞(しょんずい/しょうずい)」が、古渡の代表例です。

骨董・茶道具は古渡以外にも、日本に伝わった時代によってさまざまな分類があります。たとえば、江戸時代中期以降に舶来した品は、「中渡(なかわたり)」「後渡(しんと)」と呼ばれます。逆に古渡よりも古い時代に輸入されたものや、古渡のうち特に歴史が古いものは「極古渡(ごくこわたり)」とも言います。

更紗で古渡に分類されるものは、18世紀中ごろまでにインドや東南アジアから伝来した、木綿地の紋様染めの布です。草花や鳥獣、幾何学文様などが描かれており、特にインドで生産されたものは赤や青などが鮮やかに発色します。茶道具としても珍重されており、袱紗(ふくさ)や仕覆(しふく)といった布製品にも使われています。