古美術

古美術とは、古い美術品の中でも特に美術鑑賞に重点を置いている作品のことです。骨董品との違いは、ただ単に製造から数十年以上経った古いものと解釈されるかどうか。古い作品を総称したものを骨董品と言い、その中でも美術的に鑑賞する目的が大きいものを古美術と呼ぶと解釈して良いでしょう。ただし、人によって作品を見たときに受ける印象は異なるため、線引きは曖昧です。

ジャンルは書画・工芸品・彫刻・茶道具・陶磁器など多岐にわたります。書画とは書道の作品や絵画作品のこと。掛け軸や屏風に仕立てられたり、額縁に入れられたりすることもあります。工芸品は、細かく分類すると漆芸・木工芸・金工・竹工などが挙げられます。地域ごとの伝統工芸も含まれ、機械だけでは再現できない繊細な職人の技術を伺えるのが魅力です。

彫刻は西洋彫刻や仏像、動植物を表したものなど題材はさまざま。作品づくりに使用する素材も石・金属・木材などと幅広いのが特徴です。茶道具には茶碗や水差しといった焼き物や、抹茶の粉末を入れる茶入れという容器、竹で編んだ花かごなどがあります。茶道人口が減少傾向にあるため、売却依頼が増加している古美術品です。

陶磁器は、茶道では使われないお皿や花瓶、茶碗を総称したものを指します。有名なのは伊万里焼や信楽焼などです。いずれの古美術品も、今話題になっていたり、重要無形文化財の認定を受けたりしている作家の作品は高額で取引される傾向にあります。