大和絵とは、日本で独自に確立された絵画のことです。日本の四季・風景・物語・民俗など、さまざまなものをテーマにしています。大和絵が生まれたきっかけは、遣唐使を廃止した後、日本の風土に合わせた美しさが追及されたこと。京都府宇治市にある平等院鳳凰堂の扉絵は、現存最古級の大和絵のひとつとされています。
鎌倉時代から室町時代にかけては、大和絵の発展期とされており、躍動感のある絵巻物が流行しました。特に室町時代には、宮廷で障子絵や屏風絵などの制作を統括する絵所預を、土佐派の絵師が代々世襲し、大和絵の伝統が受け継がれていきました。江戸時代には狩野派が勢力を増し、開国してからは西洋画とも融合しながら現代の日本画に繋がっています。
大和絵には、一目で大和絵であることが分かるほど独特の特徴があります。主な特徴は、「吹抜屋台(ふきぬけやたい)」とつくり絵です。吹抜屋台とは、建物の屋根や天井を描かず、斜め上方から室内を俯瞰する構図のこと。臨場感のある場面展開や、登場人物の心理描写などに用いられています。つくり絵は、墨で下描きをした後、不透明な岩絵具を厚く塗り重ね、最後に細い線で細部を描き起こす技法です。
大和絵の掛け軸や屏風は現在も根強い人気があり、骨董市場では作者・制作年代・保存状態・希少性などが総合的に評価されます。古い作品は作者の署名がないものも多いため、専門家による精査を受けることが推奨されます。近年は博物館や美術館でも大和絵をテーマにした展覧会が開催されており、伝統的な美しさが再評価されている絵画です。

