岡本太郎

岡本太郎は、1911年に現在の神奈川県川崎市高津区で生まれた、日本の芸術家のことです。幼少期から絵が好きで、慶応義塾普通部を卒業した後は東京美術学校に進学。その後東京美術学校を休学し、1930年から約10年間パリで過ごすことになります。1940年にドイツがパリに侵攻したことをきっかけに、日本へ帰国しました。

1942年からは第二次世界大戦のため中国へ出征し、1945年に帰国。その後は「夜の会」を結成したり、日本アヴァンギャルド美術家クラブの創立に関わったりと、日本国内で活動します。1950年代からはテレビにも出演しながら、作品の制作を続けました。「芸術は爆発だ」などのフレーズは、現在もよく知られています。1996年に、84歳で亡くなりました。

岡本太郎の作品の特徴は、見る人に強い印象を与える大胆な色使いや、独特のフォルムです。既成概念にとらわれない、自由な表現を追求しました。伝統と革新、理性と感情といった2つの対立要素をあえて取り入れる「対極主義」を反映しています。一見アドリブで描いているようにも見えますが、しっかり下絵を描いてから制作しているのも岡本太郎の作品の特徴です。

代表作として多くの人に知られているのは、1970年に大阪で開催された万国博覧会のシンボル『太陽の塔』です。また『太陽の塔』と対をなす存在として、『明日の神話』も代表作として挙げられます。『明日の神話』は1960年代後半にメキシコで制作された作品です。絵画やブロンズなどの芸術作品だけでなく、1964年の東京オリンピック参加メダルをはじめ、インダストリアル・デザインも数多く手掛けています。