極書

極書(きわめがき)とは、骨董品や古美術品に付属している鑑定書のことです。特に作家の親族や作家の専門機関などが本物であると判断した作品に付属している鑑定書を指します。記載する情報は、作者名・作品名・鑑定者名などです。主に、折紙や極札の形で作品に添付します。

折紙とは、書面で鑑定結果を記してある極書のことです。折紙の歴史は古く、室町時代には刀剣の鑑定を生業としていた本阿弥家が、一門集まっての合議の結果をもとに鑑定書(折紙)を発行していたと伝わっています。間違いないと保証できることを意味する「折り紙つき」という言葉も、折紙の発行から生まれました。極札は、鑑定結果を短冊状の小さな札に記載したものです。

極書は紙や札に自筆で鑑定結果を記載し、最後に花押もしくは印を押すのが一般的。花押とは署名の下に記す書印のことです。自分の名前に使用している文字を、花文字にくずして図案化します。平安時代末から鎌倉時代初めの時期にかけて生まれ、室町時代には武家や僧侶の間で一般化した習慣です。作品の作者や鑑定者ごとにデザインが異なるため、極書の内容を信用できるかどうか判断する重要な材料として活用できます。

折紙や極札の形で作品に添付する以外にも、作品を収納する箱に直接鑑定結果を記載する「箱書」の形式をとる場合もあります。ただし何の変哲もない木箱に極書を施し、あたかも本物の作品を収めているように見せる箱書も散見されるため、作品の鑑定や購入の際は注意が求められます。