構成主義とは、20世紀初頭に誕生した前衛的な芸術運動のことです。ロシアで生まれたことから、「ロシア構成主義」と呼ばれることもあります。1910年代にウラジーミル・タトリンが提唱した「カウンター・レリーフ(対向浮彫)」の考えが始まりと考えられており、1917年のロシア革命の後に最盛期を迎えました。
構成主義が生まれた背景には、「芸術は社会の役に立つべきである」という思想があったと考えられています。個人の感情を表現する絵画や彫刻はブルジョワ的であると批判し、代わりに数学的・工学的な方法で物体を構成し、社会の基盤となるデザイン・建築・工業製品を生み出すことを目指しました。
一時は新政府の支持を得て活動が活発化しましたが、1920年代になると「大衆に分かりにくい」と批判されるようになります。1930年代になると写実的な「社会主義リアリズム」が公式の様式になり、ロシア国内での構成主義は終わりを迎えました。
しかし、ロシアで育まれた構成主義の考えは、ドイツの美術学校であるバウハウスや、オランダのデ・ステイルに引き継がれます。機能面の重視したスタイルは、現在の建築やプロダクトデザインにも影響を与えました。
構成主義の作品の特徴は、鉄・ガラス・プラスチック・木材などの工業用素材を使用しているところです。芸術家を技術者や生産者と定義して、家具・衣服・舞台美術など、日常生活に関わりのあるデザインに用いられました。主な作品は、ウラジーミル・タトリンの『第3インターナショナル記念塔』です。

