水彩画

水彩画(すいさいが)とは、水彩絵具を用いて制作する、淡くて透明感のある色合いが特徴的な絵画作品のことです。歴史はとても古く、旧石器時代のヨーロッパで描かれた壁画にまで遡るのではと考えられています。古代エジプトでも写本に彩色する際、水彩を使用していました。芸術としての水彩画の歴史が始まったのは、ルネサンス期に入ってから。15~16世紀に活動したドイツの画家であるアルブレヒト・デューラーをはじめ、数多くの芸術家が登場しました。現代でも水彩画は絵画作品のジャンルの1つとして多くの人に愛されています。

水彩画に使用する水彩絵具とは、水に溶ける性質を持つ絵の具のことです。「透明水彩絵具(ウォーターカラー)」と、「不透明水彩絵具(ガッシュ)」の大きく2種類に分類できます。2種類の水彩絵具の違いは、顔料と接着剤の割合です。透明水彩絵具の方が接着剤の割合が大きく、キャンバスに色を塗ると下地の色が透け、透明感のある表現ができます。

不透明水彩絵具は透明水彩絵具よりも顔料の比率が大きいため、色が透けにくいのが特徴。油彩画ほどではありませんが、重たい雰囲気の作品を制作することが可能です。

透明水彩絵具と不透明水彩絵具の両方を使用した水彩画もあり、これまでに数多くの作品が生み出されてきました。例として、アルブレヒト・デューラーの『兎』やトマス・ガーティンの『川からのジェドバラ修道院の眺め』、エドワード・ホッパーの『プロスペクト・ストリート』などが挙げられます。