竹細工

竹細工とは、竹を加工したり竹ひごを編んだりして細工物を作ることや、竹を使った細工物そのもののことです。主な例として、ざるや籠のような日用品、漁具、茶道具、玩具などが挙げられます。素材になる竹としてよく用いられるのはマダケという種類です。弾力性に優れており、編み込んだり曲げたりする工程を多く含む竹細工に適しています。

伐採した竹はすぐに加工するだけでなく、火であぶったり煮沸して油抜きをしたりと、一度手を加えて耐久性や硬さを調整することも。その後茶道具の花入れのように節や側面をくり抜いて加工したり、竹を割いて竹ひごを作り、一つの製品を編み上げたりします。編み込み方は、基本となる四つ目編みやござ目編み、異なる太さの竹ひごを組み合わせた波網代、装飾的な要素が強いくもの巣編みや松葉編みなど、よく用いられるものだけでも数十種類にのぼります。

工芸作家のように、伝統的な工芸品に芸術性を加えた作品を作るときは、良質な竹を厳選して使用します。一方で、地方の民芸品・日用品として制作する竹細工には地元に自生している竹を採用する傾向にあり、地域色が濃い作品が作られるのが魅力です。

有名な竹細工の生産地として挙げられるのは、静岡県の駿河や大分県の別府など。駿河の竹細工の特徴は、平べったい竹ひごではなく円柱状のものを使用するところです。別府では日本トップレベルのマダケの生産量を活かし、花かごや盛りかごなどの伝統的な籠類から照明器具のような調度品までさまざまな製品が作られています。