「絵画を売る前に確認すべき10のこと」

2026.1.29

絵画の売却で後悔が起きやすいのは、「急いで決めた」「情報が揃っていなかった」「比較の観点がズレていた」の3つが重なった時です。

ここでは、買取相談でも特に重要になる10項目を、チェックリスト形式で整理します。1つずつ確認すれば、査定の精度と納得感が大きく上がります。


1. 作品の「作者情報」を整理する(分からなくてもOK)

まずは、分かる範囲で構いません。作者名が曖昧でも、手がかりがあれば評価の糸口になります。

■署名(サイン)・落款の有無

■作品名、制作年(分かれば)

■購入先(画廊、百貨店、美術展、作家本人など)

■受け取った経緯(相続、譲渡、贈答 など)

ポイント:分からない部分は「不明」として大丈夫です。推測で埋めるより、正直に伝えた方が査定が正確になります。


2. 来歴(プロヴナンス)につながる資料を探す

「どこから来た作品か」を示せると、信用性が上がり、評価が安定しやすくなります。

■購入時の領収書、請求書、納品書

■展覧会図録、個展DM、カタログ

■画廊の証明書、作品証明書(COA)

■過去の鑑定書・登録書類(作品による)

注意:証明書が無いからダメ、ではありません。ある場合に“プラス材料”になりやすい、という位置づけです。


3. 付属品(共箱・黄袋・額・シール類)を揃える

特に日本画・掛軸・茶道具周辺では付属品が評価に影響することがあります。絵画でも同様に、関連物が“作品情報”になります。

■共箱、箱書き、黄袋(ある場合)

■額装の有無(額も含めて評価になるケースあり)

■裏板・ラベル・シール(展覧会・画廊ラベル等)

ポイント:額は「高級=必ずプラス」ではなく、作品との相性や状態で評価が変わります。無理に手を加えないのが安全です。


4. 状態チェックは「修復しない」が基本

売る前に綺麗にしたくなるのですが、自己判断のクリーニングや補修はリスクがあります。

確認したい代表ポイント

■シミ、ヤケ(変色)、カビ

■剥落、ひび割れ、絵具の浮き

■破れ、折れ、たわみ

■額の傷、ガラスの割れ、留め具の不具合

NG例:アルコール・洗剤で拭く/表面を強く擦る/テープで補修する

→ 表面を傷めると、取り返しがつかないことがあります。


5. 「サイズ」と「技法」を把握する(ざっくりでOK)

査定時には、サイズ・技法が分かると話が早くなります。厳密でなくても、目安で十分です。

■サイズ(縦×横、額込み/作品のみ)

■技法:油彩、水彩、日本画、版画、アクリル、ミクストメディア等

■支持体:キャンバス、紙、板、絹本 など

ポイント:版画は「エディション番号(例:12/100)」や「直筆サイン」の有無が重要になることがあります。


6. 「保管・搬出の動線」を先に考える

売却の失敗は価格だけでなく、「運び出しの事故」で起きることもあります。

大きい作品ほど先に確認が必要です。

■玄関・廊下・階段・エレベーターを通るか

■額が大きい、ガラスが重い、立体的で壊れやすい など

■梱包材が必要か(角当て、エアキャップ、箱)

ポイント:搬出に不安がある場合は、出張査定の段階で相談しておくと安全です。


7. 「売る目的」と「譲れない条件」を決める

査定額だけで判断するとブレやすいので、先に自分側の軸を決めておくと後悔が減ります。

例)

■早く現金化したい(スピード重視)

■できるだけ高く(比較・タイミング重視)

■家族の合意が必要(説明の材料重視)

■まとめて整理したい(手間削減重視)

ポイント:「いつまでに」「最低限の希望」「手放す優先順位」をメモしておくと、相談がスムーズです。


8. 比較するなら「価格以外」の比較軸を持つ

相見積もり自体は悪いことではありません。ただし、比較の観点が価格だけだと、トラブルや不満につながることがあります。

チェックしたい比較軸

■査定根拠の説明があるか(市場・状態・作家評価など)

■連絡の速さ、言葉遣い、対応の丁寧さ

■出張/宅配の手順が明確か、費用負担が明確か

■キャンセル時の扱いが分かりやすいか

■個人情報・機密の扱い(法人・相続案件は特に)


9. 「写真」を適切に撮る(LINE査定・事前相談の精度が上がる)

写真が揃うと、事前の見立てが正確になりやすく、やり取りの回数も減ります。

おすすめの撮影セット

■作品全体(正面)

■サイン/落款のアップ

■作品裏面(ラベル・書き込み・シール)

■角・傷・シミなど気になる部分

■額の全体と角(必要に応じて)

■付属品(箱書き、証明書、図録など)

コツ:反射を避けるため、斜めから1枚撮る/自然光で影を減らす、が有効です。


10. 税金・名義・相続の論点を“早めに”整理する

ここは誤解が多いポイントです。売却益が出る場合、状況によっては税務上の確認が必要になることがあります(すべての売却で必ず発生する、という意味ではありません)。

整理しておくと安心なこと

■誰の名義の財産として扱うか(相続・共有など)

■取得経緯(購入・贈与・相続)

■取得価格や資料の有無(分からなければその旨でOK)

■法人の場合:社内稟議・資産台帳・監査対応の有無

大事:税務判断は個別事情で変わります。不安がある場合は税理士等の専門家に確認する前提で、「事実関係」をメモしておくのが最も安全です。


まとめ|この10項目だけ押さえれば、後悔は大きく減ります

最後に、最短の動き方を整理します。

■まずは ①作者情報 → ②資料 → ③付属品 → ④状態 を確認

■次に ⑥搬出動線⑦目的 を決める

■⑨写真 を揃えて相談(LINE査定など)

■必要なら ⑧比較、そして ⑩相続/法人/税務 の論点確認


無料査定に進む前の「超短縮チェック」(コピペ用)

■作者/購入経緯:____

■付属品:箱(有/無)証明書(有/無)図録(有/無)

■状態:気になる点(____)

■サイズ/技法:____

■写真:全体/サイン/裏面/傷

■希望:早さ or 価格 or 手間削減(優先:____)