絵画の売却で後悔が起きやすいのは、「急いで決めた」「情報が揃っていなかった」「比較の観点がズレていた」の3つが重なった時です。
ここでは、買取相談でも特に重要になる10項目を、チェックリスト形式で整理します。1つずつ確認すれば、査定の精度と納得感が大きく上がります。
1. 作品の「作者情報」を整理する(分からなくてもOK)
まずは、分かる範囲で構いません。作者名が曖昧でも、手がかりがあれば評価の糸口になります。
■署名(サイン)・落款の有無
■作品名、制作年(分かれば)
■購入先(画廊、百貨店、美術展、作家本人など)
■受け取った経緯(相続、譲渡、贈答 など)
ポイント:分からない部分は「不明」として大丈夫です。推測で埋めるより、正直に伝えた方が査定が正確になります。
2. 来歴(プロヴナンス)につながる資料を探す
「どこから来た作品か」を示せると、信用性が上がり、評価が安定しやすくなります。
■購入時の領収書、請求書、納品書
■展覧会図録、個展DM、カタログ
■画廊の証明書、作品証明書(COA)
■過去の鑑定書・登録書類(作品による)
注意:証明書が無いからダメ、ではありません。ある場合に“プラス材料”になりやすい、という位置づけです。
3. 付属品(共箱・黄袋・額・シール類)を揃える
特に日本画・掛軸・茶道具周辺では付属品が評価に影響することがあります。絵画でも同様に、関連物が“作品情報”になります。
■共箱、箱書き、黄袋(ある場合)
■額装の有無(額も含めて評価になるケースあり)
■裏板・ラベル・シール(展覧会・画廊ラベル等)
ポイント:額は「高級=必ずプラス」ではなく、作品との相性や状態で評価が変わります。無理に手を加えないのが安全です。
4. 状態チェックは「修復しない」が基本
売る前に綺麗にしたくなるのですが、自己判断のクリーニングや補修はリスクがあります。
確認したい代表ポイント
■シミ、ヤケ(変色)、カビ
■剥落、ひび割れ、絵具の浮き
■破れ、折れ、たわみ
■額の傷、ガラスの割れ、留め具の不具合
NG例:アルコール・洗剤で拭く/表面を強く擦る/テープで補修する
→ 表面を傷めると、取り返しがつかないことがあります。
5. 「サイズ」と「技法」を把握する(ざっくりでOK)
査定時には、サイズ・技法が分かると話が早くなります。厳密でなくても、目安で十分です。
■サイズ(縦×横、額込み/作品のみ)
■技法:油彩、水彩、日本画、版画、アクリル、ミクストメディア等
■支持体:キャンバス、紙、板、絹本 など
ポイント:版画は「エディション番号(例:12/100)」や「直筆サイン」の有無が重要になることがあります。
6. 「保管・搬出の動線」を先に考える
売却の失敗は価格だけでなく、「運び出しの事故」で起きることもあります。
大きい作品ほど先に確認が必要です。
■玄関・廊下・階段・エレベーターを通るか
■額が大きい、ガラスが重い、立体的で壊れやすい など
■梱包材が必要か(角当て、エアキャップ、箱)
ポイント:搬出に不安がある場合は、出張査定の段階で相談しておくと安全です。
7. 「売る目的」と「譲れない条件」を決める
査定額だけで判断するとブレやすいので、先に自分側の軸を決めておくと後悔が減ります。
例)
■早く現金化したい(スピード重視)
■できるだけ高く(比較・タイミング重視)
■家族の合意が必要(説明の材料重視)
■まとめて整理したい(手間削減重視)
ポイント:「いつまでに」「最低限の希望」「手放す優先順位」をメモしておくと、相談がスムーズです。
8. 比較するなら「価格以外」の比較軸を持つ
相見積もり自体は悪いことではありません。ただし、比較の観点が価格だけだと、トラブルや不満につながることがあります。
チェックしたい比較軸
■査定根拠の説明があるか(市場・状態・作家評価など)
■連絡の速さ、言葉遣い、対応の丁寧さ
■出張/宅配の手順が明確か、費用負担が明確か
■キャンセル時の扱いが分かりやすいか
■個人情報・機密の扱い(法人・相続案件は特に)
9. 「写真」を適切に撮る(LINE査定・事前相談の精度が上がる)
写真が揃うと、事前の見立てが正確になりやすく、やり取りの回数も減ります。
おすすめの撮影セット
■作品全体(正面)
■サイン/落款のアップ
■作品裏面(ラベル・書き込み・シール)
■角・傷・シミなど気になる部分
■額の全体と角(必要に応じて)
■付属品(箱書き、証明書、図録など)
コツ:反射を避けるため、斜めから1枚撮る/自然光で影を減らす、が有効です。
10. 税金・名義・相続の論点を“早めに”整理する
ここは誤解が多いポイントです。売却益が出る場合、状況によっては税務上の確認が必要になることがあります(すべての売却で必ず発生する、という意味ではありません)。
整理しておくと安心なこと
■誰の名義の財産として扱うか(相続・共有など)
■取得経緯(購入・贈与・相続)
■取得価格や資料の有無(分からなければその旨でOK)
■法人の場合:社内稟議・資産台帳・監査対応の有無
大事:税務判断は個別事情で変わります。不安がある場合は税理士等の専門家に確認する前提で、「事実関係」をメモしておくのが最も安全です。
まとめ|この10項目だけ押さえれば、後悔は大きく減ります
最後に、最短の動き方を整理します。
■まずは ①作者情報 → ②資料 → ③付属品 → ④状態 を確認
■次に ⑥搬出動線 と ⑦目的 を決める
■⑨写真 を揃えて相談(LINE査定など)
■必要なら ⑧比較、そして ⑩相続/法人/税務 の論点確認
無料査定に進む前の「超短縮チェック」(コピペ用)
■作者/購入経緯:____
■付属品:箱(有/無)証明書(有/無)図録(有/無)
■状態:気になる点(____)
■サイズ/技法:____
■写真:全体/サイン/裏面/傷
■希望:早さ or 価格 or 手間削減(優先:____)

