「絵画買取の相場はどう決まる?」

2026.1.28

「同じような絵なのに、なぜ査定額が違うのか」

絵画買取のご相談で、最も多い疑問のひとつです。

絵画の買取相場は、決して一律ではありません。

作家名だけで決まるものでもなく、複数の評価要素が重なり合って決まるのが実情です。

■絵画買取の相場がどのように形成されるのか

■査定額が上がりやすいポイント

■事前に知っておくべき注意点

を、初めて売却を検討する方にも分かりやすく解説します。


絵画買取の「相場」とは何を指すのか

まず理解しておきたいのは、絵画の相場には定価のような固定価格が存在しないという点です。

一般的に、買取相場とは

■過去の取引実績

■現在の市場需要

■流通状況

を総合して形成される「参考価格帯」を指します。

株価のように日々数値が公開されているわけではなく、同じ作家・同じ年代の作品でも条件次第で価格が変わるのが特徴です。


査定額を左右する基本の5要素

絵画の査定では、主に次の5つが総合的に評価されます。


1. 作家の評価と市場での需要

最も大きな要素のひとつが作家評価です。

■美術史上の位置づけ

■国内外での評価

■近年のオークション・取引動向

■展覧会や回顧展の開催状況

有名作家であっても、現在の需要が落ち着いている時期には相場が下がることがあります。一方で、再評価や展覧会をきっかけに相場が上がるケースもあります。


2. 技法・ジャンルの違い

同じ作家でも、技法によって評価が変わることがあります。

例)

■油彩 > 水彩

■日本画(絹本・紙本)

■版画(エディションの有無)

■現代アート(ミクストメディアなど)

特に版画の場合は、

■エディション番号

■サインの有無

■刷りの状態

が査定に大きく影響します。


3. サイズと作品のバランス

「大きい作品ほど高い」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

■保管・搬出が難しい大型作品

■住宅事情に合わないサイズ

は、需要が限られるため評価が伸びにくい場合もあります。

作家ごとに評価されやすいサイズ感がある点も、相場を左右する要因です。


4. 保存状態(コンディション)

状態は非常に重要な評価要素です。

チェックされる代表例

■シミ・ヤケ・カビ

■絵具の剥落・ひび割れ

■破れ・折れ・波打ち

■額やガラスの状態

注意点として、売却前に自己判断で修復・清掃を行うと、逆に評価を下げる可能性があります。


5. 来歴・付属資料の有無

来歴(プロヴナンス)が明確な作品は、評価が安定しやすくなります。

評価につながりやすいもの

■購入時の領収書・請求書

■展覧会図録・個展DM

■画廊の証明書・作品証明書

■共箱・箱書き(日本画・掛軸など)

必須ではありませんが、あることで信頼性が補強される要素です。


査定額が上がりやすいポイント

ここでは、実際の相談現場でも差が出やすい点を整理します。


情報を正確に伝えている

■不明点は「分からない」と正直に伝える

■推測や自己判断を書き足さない

結果的に、再確認の手間が減り、見立てが正確になるため評価につながりやすくなります。


写真が分かりやすい

LINE査定や事前相談では写真の質が重要です。

最低限あると良い写真

■作品全体

■サイン・落款

■裏面(ラベル・書き込み)

■状態が分かるアップ

これだけで、事前査定の精度が大きく向上します。


売却タイミングが合っている

相場は一定ではありません。

■作家の回顧展開催前後

■市場での取引が活発な時期

■需要が高まっているタイミング

によって評価が変わることもあります。


相場を誤解しやすい注意点

最後に、誤解されやすい点も整理しておきます。


「購入価格=売却価格」ではない

購入時の価格や思い入れは、相場には直接反映されません。

市場評価が最優先されます。


有名作家でも必ず高額とは限らない

■作品点数が多い

■市場に流通しすぎている

場合、相場が落ち着いているケースもあります。


一社の査定だけで決めなくてもよい

価格だけでなく、

■説明の分かりやすさ

■対応の丁寧さ

■納得感

も重要な判断材料です。


相場を知ることが、後悔しない売却につながる

絵画買取の相場は、

■作家

■技法

■サイズ

■状態

■市場需要

これらが複合的に評価されて決まるものです。事前に相場の考え方を理解しておくことで、査定結果に対する納得感が大きく変わります。