モントロー窯とは、かつてフランスにあった陶器窯のことです。パリ南東の郊外にあるモントロー=フォール=ヨンヌという、ヨンヌ川とセーヌ川の合流地点の街に存在しました。モントロー窯ができたきっかけは、1720年にジャン・ロノンという陶工がモントロー=フォール=ヨンヌを訪れたことです。
1745年頃からイギリス風の陶器の生産を開始し、1749年にフランソワ・マゾワという人物が工場を作ったことで、本格的な製陶が始まりました。工場ができたことにより、透明感のある白地の陶器に光沢のある釉薬をかけた、「ファインアンス・フィン」という磁器のような見た目の陶器が作られるようになります。
その後、フランソワ・マゾワが建てた工場をイギリス人オーナーが取得します。当時は陶器を大量生産する「銅版転写技術」が普及していたため、モントロー窯の製品も職人による手作業で作るものから、工業的なものに変化・対応しました。しかし1819年に、ライバル関係であったクレイユ窯によって工場が買収され、1840年から約55年間は共同で製品を生産します。1920年以降はショワジー・ル・ロワ窯と共同で陶器を作っていましたが、1955年に生産が終了しました。
モントロー窯も魅力は、乳白色の美しい陶器と、銅板転写技術を活用した緻密な絵付けです。風景画やシノワズリ、花柄など、さまざまなデザインの陶器を生産しました。器のシルエットも見どころのひとつで、八角形やフリル型の縁取りをはじめ、見る人を楽しませる製品が作られました。

