処分する前に、一度立ち止まっていただきたい理由があります
実家の片付けや遺品整理、生前整理を進めていると、応接間や床の間、押し入れの奥から古い絵画が見つかることがあります。
「昔から飾ってあったけれど、誰が描いたものか分からない。」
「古いから価値はないだろう。」
「処分してしまおうか……。」
このようなお話を、私たちはこれまで何度もお聞きしてきました。
しかし、美術品の世界では、「古い=価値がない」とは限りません。
長年査定を行っていると、ご家族が何十年も価値に気付かなかった作品が、美術市場で評価されるケースも少なくないのです。
まずは作品全体をよく見てみましょう🎨
価値を知るために最初に確認したいのは、作品全体の状態です。
作者名が分からなくても構いません。
絵画には、
・作品の裏面
・額縁の裏側
・キャンバスの木枠
・共箱や黄袋
などに、作品の手掛かりが残されていることがあります。
展覧会のラベルや画廊のシールが貼られているだけでも、作品の来歴を知る重要な資料になることがあります。
「こんなものは不要だろう」と処分してしまう前に、一度確認してみることをおすすめします。
作者が分からなくても諦める必要はありません🖌️
査定の現場では、「サインが読めない」「作者不明だから価値はないと思っていました」という作品を拝見することがあります。
ところが、詳しく調査すると、著名な作家の作品だったというケースもあります。
また、地方で活躍した画家や、美術団体に所属していた作家など、市場で一定の評価を受けている作品も少なくありません。
作品の価値は、見た目だけでは判断できないものです。
だからこそ、美術品専門店による確認が大切になります。
保管状態も大切な判断材料です📦
絵画は年月を経ても、その保存状態によって評価が変わります。
だからといって、ご自身で掃除や修復を行う必要はありません。
むしろ、無理なお手入れによって作品本来の風合いを損ねてしまうことがあります。
ホコリが付いていても、そのままの状態で査定をご依頼いただく方が安心です。
私たちは、その状態も含めて作品を拝見いたします。
インターネットだけでは本当の価値は分かりません💻
最近では、作品名を検索すると価格が表示されることがあります。
しかし、それは販売価格であったり、過去の落札価格であったりと条件はさまざまです。
実際の査定では、
・保存状態
・制作年代
・技法
・サイズ
・市場での人気
・真贋
など、多くの要素を総合的に確認します。
同じ作家の作品でも、評価が大きく異なることは決して珍しいことではありません。
一枚の絵には、ご家族の歴史が刻まれています🌿
私たちが査定する作品の多くは、単なる「物」ではありません。
新築祝いに贈られた一枚。
退職記念に購入された作品。
ご両親が大切に飾っていたお気に入りの絵。
その一枚には、ご家族の思い出や人生の節目が重なっています。
だからこそ、私たちは価格だけではなく、その背景にも敬意を持って作品と向き合いたいと考えています。
もし実家で眠っている絵画があり、「価値があるのか分からない」と感じたら、処分を急ぐ必要はありません。
一度、美術品を専門に取り扱う査定士へ相談してみてください。
思いがけない価値が見つかることもありますし、たとえ市場価値が高くなかったとしても、その作品の来歴や特徴を知ることで、ご家族の大切な思い出を改めて感じられるかもしれません。
その一枚の絵が歩んできた時間を、私たちは丁寧に拝見いたします。
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