古伊万里とは、江戸時代ごろに現在の佐賀県の有田町とその周辺で生産が始まった磁器のことです。文禄・慶長の役で朝鮮半島から日本にやって来た人たちによって、1610年代頃に作られ始めました。その後、有田町の泉山で磁器の原料になる陶石が見つかると、窯場の中心は有田町東部に移動しました。
1640年代には中国から伝来した技術をもとに色絵磁器の生産が始まり、金彩を取り入れた華やかな作品も流通するようになります。色絵磁器は海外にも輸出され、ヨーロッパの王侯貴族から高い評価を得ました。しかし1700年代になると中国磁器が台頭するほか、ヨーロッパでも磁器を自国生産できるようになったため、輸出が減少。国内向けの生産に切り替え、富裕層向けの高級品から実用的な食器まで、幅広い製品を作るようになりました。
古伊万里は、「伊万里焼」と呼ばれることがあります。伊万里焼は佐賀県の有田町で作られた磁器の総称として使われ、古伊万里はそのうち特に時代が古い作品を指す通称として使われています。骨董品としては、古伊万里の方が入手することが難しいぶん、高く評価される傾向にあります。
古伊万里の魅力としては、職人による卓越した絵付けや華やかな彩色、現代の食卓にも馴染む実用性の高さなどが挙げられます。絵付けの種類は藍色の濃淡だけで描かれる「染付」と、赤・緑・金などの多様な色を用いた「色絵」があります。大胆な構図も見どころで、花鳥風月や松竹梅などを、器の余白を活かしつつダイナミックに描いた作風は、ヨーロッパの貴族も魅了しました。

