ヌヴェール陶器

ヌヴェール陶器とは、フランスのブルゴーニュ地方にある、ヌヴェールという街で作られている陶器のことです。ヌヴェールの街はロアール川とニエーヴル川が合流する地点にあり、中世は河港都市として栄えました。現在は、繊維・化学工業を中心とした工業が盛んに行われています。

陶器の生産は、16世紀末頃から開始しました。イタリア出身でフランスの政治家として活動したルイ・ゴンザグ王子の尽力により、イタリアの陶器をヌヴェールに取り寄せるようになったのがきっかけです。生産開始当初のヌヴェール陶器はイタリアの陶器の影響を受け、多くの色を用いて装飾をふんだんに使用したものが作られました。基本的には青い下地に白で装飾を描いたものがよく作られたとされています。

17世紀になるとペルシアの装飾を取り入れたり、色の明暗だけで立体的に見せる「カマイユ技法」が発達したりします。柄はトルコのイズニク陶器の影響を受け、花や鳥を描くようになりました。加えて、中国との交易が盛んになったことで中国装飾(シノワズリ)も用いるようになり、世界各地の要素を取り入れた陶器を生産するようになります。

17世紀から18世紀にかけては全盛期を迎え、12の窯が稼働していました。しかし18世紀以降は窯が減少し、19世紀には経済の悪化で窯は1つになります。現在は再興が進み、アトリエの数が増加しました。1975年にはヌヴェール陶器を扱う博物館が設立され、製造工程を今に伝えています。