カンペール焼き

カンペール焼きとは、フランス北西部に位置するブルターニュ地方のカンペール市で生産されている陶器のことです。15世紀ごろから陶器の生産が始まり、当初は素朴な素焼きの焼き物が作られていました。カンペール市では製陶に向いている粘土が大量に発見され、17世紀以降はフランスの製陶産業の一大拠点になります。

カンペール焼きに転機が訪れたのは17世紀頃。ルイ14世の命で、他国に輸出できるような質の高い陶器を生産するようになりました。1690年には、王立の正当工房が設立されます。1699年にはマルセイユからジャン・バブティスト=ブケという人物がカンペール市を訪れ、製陶技術がさらに向上します。

息子のピエール・ブケはカンペール焼きの工場を設立し、ヌヴェールやルーアンといった陶器の産地の技術も取り入れ、カンペール焼きはフランス最高級の陶器に成長しました。しかし、18世紀末には安価な工業製品が台頭し、手作業で作られた製品の需要は徐々に減少します。カンペール焼きも工業製品の影響を受け、1698年にはアッシュべー社と合併しました。アッシュベー社と合併した後の社名はアッシュベー・アンリオ社になり、現在に至るまでカンペール焼きの生産は続いています。

カンペール焼きの特徴は、ブルターニュ地方の伝統的な民族衣装や自然を絵付けのモチーフにしているところです。カンペール焼きで用いる独自のペイントは「カンペールタッチ」と呼ばれ、温かみのある彩色と絵柄が今も多くのコレクターに愛されています。