ギュスターヴ・モローとは、フランスの象徴主義の画家のことです。1826年に、パリで生まれました。子どもの頃から絵を描いて遊んでおり、1844年に画家のフランソワ=エドゥアール・ピコの弟子になります。2年後には官立美術学校に入学しましたが退学し、1849年から1854年にかけてはフランス政府からの依頼を受注しました。
1857年9月にローマに留学し、帰国後はイタリアでの成果を自身の作品に反映させるようになります。1888年に美術アカデミーの会員になり、1892年には官立美術学校の教授に就任しました。晩年はサロンからも遠ざかり、屋敷に籠って作品を制作したり、個展や特別展示などを開催したりしました。1898年に亡くなり、彼が晩年に過ごした場所は遺言により、ギュスターヴ・モロー美術館として一般公開されています。
ギュスターヴ・モローの作品の特徴は、神話や聖書をテーマに、内面の世界観を幻想的に表現しているところです。現実世界を写すのではなく、感情・苦悩・不安などを織り交ぜた作品を制作しました。ルネサンスや東洋美術の影響を受けて、宝石のような装飾性のある表現を用いたり、登場人物はあまり感情を表に出さず静止したような空気感があったりするのも見どころとして挙げられます。
代表的な作品は、スフィンクスを若い女の姿で表現した『オイディプスとスフィンクス』、国家により買い上げられた『オルフェウス(オルフェウスの首を抱くトラキアの娘)』、晩年に制作した油彩画『ヘシオドスとムーサ』などです。

