シルクスクリーン

シルクスクリーンとは、四角い枠にピンと張ったスクリーンを通して、紙にインクを写す版画技法です。もともと絹を使用していたため「シルク」の名が付いていますが、現在はテトロンやナイロンなどの合成繊維を用いたスクリーンを使って制作することもあります。特徴は、スクリーンの細かい織り目にインクを通して転写するところ。紙に写したくない部分は絵柄に合わせて切り抜いた紙を貼ったり、乳剤を塗ったりしてインクが通るのを防ぐ加工(目止め)を施すのが一般的です。

目止めの仕方の種類は豊富で、カッティング法・ブロッキング法・感光法などがあります。カッティング法はインクが通る図柄の部分だけを切り抜き、スクリーンに張り付ける方法です。ブロッキング法はスクリーンに直接絵を描き、インクが通る部分を作り出します。感光法は光による紫外線を浴びると硬くなる乳剤を使う技法です。

シルクスクリーンの歴史は20世紀ごろから始まります。1905年(もしくは1907年)にイギリスのサミュエル・シモンが、シルクスクリーン印刷の特許を取得。日本では1917年に万石和喜政がシルクスクリーンの技術をアメリカから日本へ持ち帰り、1922年に特許を取得しました。シルクスクリーン版画の制作が盛んに行われるようになったのは1960年代で、比較的新しい芸術分野と言えるでしょう。シルクスクリーンの制作が有名な現代美術の作家として、ロバート・ラウシェンバーグやアンディー・ウォーホル、日本人だと草間彌生村上隆が挙げられます。