共シール

共シール(ともしーる)とは、作家本人が制作した作品であることを示すラベルのようなものです。その作家が制作した作品だと示すラベルには様々な種類がありますが、共シールは特に作家本人が直筆で作品名や作家のサインを記入したものを指します。

作品によっては落款も記載するケースがあり、共シールの書式や様式は特に決まっていません。作家ごとのデザインの違いを楽しんだり、落款から作品の世界観を覗いたりできるのが共シールの魅力の1つ。作品の画面に記してある落款と共シールの内容が一致することは、その作品が本物であることを証明する重要な要素なので、邪魔だからと取ってしまわないようにしましょう。

共シールは全ての美術作品に付属しているわけではありません。一般的には、額装された日本画にのみ用いられます。共シールを作品に添付するときは、共シール用のラベルを2枚用意するのが基本。1枚は作品の裏面に糊で貼り、もう1枚は額の裏に貼り付けます。額の裏に貼るときはラベルが取れないよう、上にアクリル板を重ねたあと四辺をテープでしっかりと固定します。

一度共シールを作品や額裏に貼ると、後で交換するのは困難です。今まで貼りつけてあった共シールを、作品を傷めないように取り外す手間が掛かるだけでなく、共シールを新しく作ってもらうため、制作者本人に連絡を取らなければなりません。制作してから何年も経過している作品だと作家が亡くなっており、共シールを書いてもらえないケースもあります。