呼継

呼継(よびつぎ)とは、陶磁器の欠損した部分に別の器の破片をはめ込み、漆や金でつなぎ合わせる技法のことです。金継ぎの技法の一種で、欠損した箇所の曲線や厚みに近い別の器の破片を使うのが特徴です。接着の方法は金継ぎと似ており、陶片の断面をやすりで削って形を微調整し、漆を接着剤にして数週間乾燥させます。

漆が乾いたら隙間に「コクソ」という漆・木粉・糊を混ぜたパテ状のものを詰めてさらに乾燥させ、継ぎ目を生漆で固めて研ぎだします。最後に金粉や銀粉を蒔いて華やかにしたら、呼継の完成です。異なる破片を合わせるため、通常の金継ぎよりも高い技術力が求められます。

呼継は、室町時代から桃山時代にかけて茶の湯の文化が発展するのに合わせて登場しました。傷や不完全さを受け入れて愛でる精神が根底にあり、織田信長の弟で千利休の弟子である織田有楽斎をはじめとした高名な茶人も、呼継の茶碗を愛用したとされています。諸説ありますが、現存する最古の呼継の作品は織田有楽斎のものと言われています。

織田有楽斎の後も、東海道五十三次と呼継をかけて「五十三次」「東海道」等の銘が付けられた茶碗が作られるなどして、一般の人にも呼継が広まっていきました。美濃地方では「一度ひっついたら離れない」という意味の縁起物とされ、呼継が嫁入り道具として好まれました。近年は現代アートとして国内外で再評価され、陶片の代わりにガラスを使う作品も登場しています。