民藝運動とは、手作業で作られた普段使いの器に美しさを見出そうとする運動のことです。「民藝」は「民衆的工藝」の略語で、民藝運動の中心的な存在である柳宗悦たちによって造られました。1926年に柳宗悦、富本憲吉、河井寛次郎、濱田庄司が連名で「日本民藝美術館設立趣意書」を発表したのが始まりとされています。
民藝運動では、美の本来の姿とは自由かつ健康的なもので、それが最も表れているのが民藝品であることを人々に広めようとしました。そして、民衆の生活から作られた手仕事の文化を守り・育てることが、生活をより豊かにすると伝えようとしました。柳宗悦が言う「民藝品」の特徴としては、実用性を備えていること、無名の職人が作ったこと、地域色が出ていることなど9つが挙げられます。
1936年には民藝運動の拠点として、東京の駒場に日本民藝館を設立しました。日本民藝館ができてからは、展覧会の開催などを通じて民藝品の価値を発信するようになります。民藝運動が提唱してから100年以上が経過した現代でも、日本各地の窯元や染織工房などに民藝運動の考えが受け継がれ、今の暮らしに合う民藝品の普及活動を行っています。
民藝運動では海外の工芸品にも注目しており、柳宗悦は李朝時代の朝鮮半島で作られた陶磁器に美しさを見出すほか、台湾の生活工藝の調査をするため現地を訪れたりもしました。現在では日本の地域文化の枠を超え、「MINGEI」として海外のデザイナーや研究者を中心に、世界的に知られています。

